電気毛布の箱にも商品ページにも、たいてい「55W」と書いてある。
この数字で電気代を計算すると、実際より高い金額が出る。
同じページの下のほうに、計算に使うべきもう1つの数字がある。
この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。価格・レビューは2026年9月17日9時台の楽天市場のものです。
先に早見表
1kWhを31円として計算した、1晩8時間・30日ぶんの電気代である。
| 1時間に使う電力 | 1晩(8h) | 1ヶ月 |
|---|---|---|
| 3Wh(弱) | 1円 | 22円 |
| 18Wh(中) | 4円 | 134円 |
| 31Wh(強) | 8円 | 231円 |
| 🔴 55W(定格) | 14円 | 409円 |
いちばん下だけ色が違うのは、これが計算に使う数字ではないからである。
「55W」は、最大のときの値である
楽天市場で「電気毛布」「電気敷毛布」「電気ひざ掛け」を1万円以下で検索し、重複を除き、電気毛布の本体だけを残した800件を調べた(2026年9月8日に取得。数え直しは2026年10月1日)。
そのうち128件が、2種類の数字を同じページに書いていた。実物の表記はこうなっている。
【定格】55W 【消費電力量】強/約31Wh、中/約18Wh、弱/約3Wh ※1時間あたり
- 定格 55W……いちばん電気を使っている瞬間の値
- 強 31Wh……強で1時間動かしたときに実際に使う量
電気毛布は、設定した温度になると自動で切れて、下がるとまた入る。
入りっぱなしではないので、1時間の合計は定格より小さくなる。
両方を書いている128件で比べると、定格は強運転の1.77倍だった(中央値)。
弱にすると、10倍下がる
強と弱の消費電力量を両方書いていた160件で、その比を出した。
| 強と弱の比 | 件数 |
|---|---|
| 約10倍 | 118件 |
| 約9倍 | 20件 |
| それ以外 | 22件 |
中央値は10.3倍。いちばん多い組み合わせは「定格55W / 強31Wh / 弱3Wh」で、81件がこの表記だった。
つまり同じ1台で、強と弱では1ヶ月の電気代が231円と22円になる。
1時間・1日・1週間では、いくらになるか
上の早見表は「1晩8時間を30日」で出した金額である。
だが実際に聞かれているのは、もっと短い単位である。「1時間で何円か」「つけっぱなしで寝たら1日いくらか」という形で聞かれる。
同じ3つの数字(弱3Wh・中18Wh・強31Wh)を、時間で割り直すとこうなる。
1時間つけっぱなしで、0.1円から1.7円
| 1時間に使う電力 | 1時間ぶん |
|---|---|
| 3Wh(弱) | 0.1円 |
| 18Wh(中) | 0.6円 |
| 31Wh(強) | 1.0円 |
| 🔴 55W(定格) | 1.7円 |
いちばん強くしても、1時間で1円である。
ここで「55W」を使うと1.7円になる。1時間なら0.7円の違いだが、この差は時間を掛けるぶんだけ開いていく。
1日(24時間)つけっぱなしで、2.2円から41円
| 1時間に使う電力 | 1日(24時間)ぶん |
|---|---|
| 3Wh(弱) | 2.2円 |
| 18Wh(中) | 13円 |
| 31Wh(強) | 23円 |
| 🔴 55W(定格) | 41円 |
「ほぼ毎日24時間使う」という使い方でも、強で1日23円である。
定格の55Wで計算すると41円になり、1日あたり18円ぶん多く見積もることになる。30日だと約540円の差になる。
1週間つけっぱなしで、16円から286円
| 1時間に使う電力 | 1晩8時間×7日 | 24時間×7日 |
|---|---|---|
| 3Wh(弱) | 5円 | 16円 |
| 18Wh(中) | 31円 | 94円 |
| 31Wh(強) | 54円 | 161円 |
| 🔴 55W(定格) | 95円 | 286円 |
寒い1週間だけ強で通しても、1晩8時間なら54円である。
電気代が気になって消していた人が、1週間つけたままにして増える額は、この範囲に収まる。
知恵袋で答えが割れているのは、このためである
「電気毛布 電気代」で検索すると、上位10件にこういう質問が並ぶ。
「電気毛布の電気代が安すぎてびっくりしました。1ヶ月500円もいかないくらいですよね??」
「電気毛布の電気代は高いですか??」
「55Wの電気料金ですが、ほぼ毎日24時間使います。」
どちらの人も間違っていない。使っている数字と時間が違うだけである。
| 使い方 | 1ヶ月 |
|---|---|
| 弱・1晩8時間 | 22円 |
| 強・1晩8時間 | 231円 |
| 強・24時間 | 692円 |
| 🔴 55Wで24時間と計算 | 1,228円 |
「1ヶ月500円もいかない」は、1晩8時間なら強でも正しい。
「高いですか」と聞いた人が24時間つけっぱなしなら、692円である。
そして55Wのまま計算すると1,228円になり、実際の1.8倍の金額が出る。
買う前に見えないことがある
運転時の消費電力量(強/中/弱)を書いていたのは、800件のうち158件だった。
| ページに書いてあるもの | 件数 |
|---|---|
| 「定格◯W」 | 256件(32.0%) |
| 強・中・弱の消費電力量 | 158件(19.8%) |
| 両方 | 128件(16.0%) |
5件に1件しか、運転時の数字を出していない。
電気毛布の電気代を説明している記事は、そろって「取扱説明書の定格消費電力を確認しましょう」と書いている。
だが取扱説明書は、買ったあとにしか手元に来ない。
買う前に分かるのは、商品ページに書いてあることだけである。
⚠️ 書いていない商品が電気を多く使う、という意味ではない。
買う前に計算できないというだけである。
選んだ2つ
選定条件は3つである。
- 強と弱の消費電力量が、その出品に書いてあること(買う前に計算できる)
- 1万円以下で、レビューが100件以上あること
- 使う場所が違う2つを選ぶ(敷き/掛け敷き)
布団の中に敷くなら|140×80cm 敷きタイプ出品に「定格55W/強31Wh・中18Wh・弱3Wh」と両方書いてある。弱で1晩8時間なら1ヶ月22円、強でも231円になる計算。この記事に載せた2つのうち安いほう。洗濯機で洗える。弱 3Wh/1ヶ月22円¥3,378 ★4.59 (332件)定格55W/TRYX3楽天市場店楽天市場で価格を見る
掛けても敷いても使うなら|188×130cm セミダブル「定格80W/強50Wh・中27Wh・弱5Wh」。大きいぶん定格も強の数字も上がるが、弱にすれば1ヶ月37円で、上の敷きタイプと15円しか変わらない。この記事に載せた2つのうち大きいほう。弱 5Wh/1ヶ月37円¥4,731 ★4.60 (282件)定格80W/測定器・工具のイーデンキ楽天市場で価格を見る
買わなくていい場合
いま使っている電気毛布の取扱説明書に「弱 ◯Wh」と書いてあり、その数字が3〜5なら、買い替える理由は電気代の側には無い。
上の2つと同じ範囲である。
電気代が気になって消しているなら、弱で1晩つけたままにしても1ヶ月22〜37円である。
同じ部屋でエアコンの暖房を1時間動かすほうが高くつくことが多い。
待機電力で本当に減らせる額は → 使わない家電のコンセントを抜く。効くのは10種類のうち2つだけ
この記事で調べたこと
2026年9月8日、楽天市場のAPIで「電気毛布」「電気敷毛布」「電気ひざ掛け」の3語を1万円以下で検索し、重複を除いた807件を集めた。
そこから、カバー単品・シーツ・コントローラーのみといった「それ自体が部品であるもの」7件を除いた800件を数えている。
🔴 2026年10月1日に訂正した。公開時は737件で数えていたが、しぼり込みに2つの誤りがあった。
(1)「電気敷き毛布」「電気しき毛布」「電気ひざかけ」「電気かけしき毛布」という書き方の本体を、1件も拾えていなかった(パナソニック・椙山紡織・ニトリ・広電の製品が落ちていた)。
(2)商品名の末尾に並ぶ検索用の語に「ペット」があるだけで、人用の電気毛布の本体まで除いていた(除いた側を実物ですべて確かめた)。
あわせて、「消費電力量」という見出しを付けずに「強 約31wh」とだけ書く出品を数えられていなかった。
∴ 「運転時の数字を書いている割合」は、公開時の15.5%より実際は高い(19.8%)。
🔑 誤りの向きは、この記事の主張を実際より強く見せるほうだった。中央値(定格÷強 1.77倍、強÷弱 10.3倍)は訂正の前後で変わっていない。
⚫ 同じ数え方を2026年10月1日の売り場(800件)にも当てたところ、256件→253件(31.6%)/158件→159件(19.9%)/128件→129件(16.1%)・1.77倍・10.3倍で、ほとんど動いていない。
⚫ 数え方は 09_データ/analyze_009_recheck.py、元データは 09_データ/blanket_clean.json(2026-09-08)と blanket_clean_20261001.json(2026-10-01)。
⚠️ 消費電力や電気代を表す語は、検索語に入れていない。
入れると、それを書いている商品ばかりが集まり、記載率が実際より高く出るためである。
⚠️ 電気代は1kWh=31円で計算した。
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価(令和4年7月22日改定)である。
契約している会社や地域によって実際の単価は違うので、金額は目安である。
⚠️ 数えたのは出品の数であって、商品(型番)の数ではない。同じ商品を複数の店が売っていれば、その分だけ重複して数えている。

