LANケーブルの売り場には、460円のものと3,899円のものが、同じ「カテゴリ7」という数字を掲げて並んでいる。
長さも同じ、見た目もよく似ている。
では、8.5倍の差は何の差なのか。
この記事には楽天市場とAmazonのアフィリエイトリンクを含みます。紹介した商品の価格・レビューは、2026年10月13日23時台の時点で楽天市場に出ていたものです。売り場の件数は、2026年9月23日0時台から1時台にかけて集めた出品で数えています。
先に答え
- 値段の差を説明しているのは、規格の数字ではない。102件はすべて「カテゴリ7」か「カテゴリ8」をうたっているのに、値段は460円から3,899円まで8.5倍開く
- いちばん効いていたのは、メーカー名があるかどうかだった。国内メーカー名がある55件の中央値は1,579円、無い47件は750円で、2.1倍の差になる
- これらのケーブルの売りは「シールド」だが、それを働かせるのに要るアース(接地)に触れた出品は、232件すべてで0件だった
- 同じ型番の同じ1mでも、店によって800円から3,872円まで4.84倍ちがう(54店・2026年10月13日23時台)。つまり「高いほうが良いもの」とは限らない
- ∴ 家庭で選ぶなら、数字の大きさではなく、いま契約している回線の速さとメーカー名で決める。1ギガならカテゴリー5E、10ギガならカテゴリー6Aで届く
同じ数字をうたうケーブルで、値段はどれくらい違うのか
楽天市場で「LANケーブル CAT7」「LANケーブル カテゴリー7」「LANケーブル CAT8」の3語を引き、標準の並び順で各語3ページぶん(各30件)を集めた。
重複を除いて232件である(2026年9月23日0時台〜1時台)。
232件から、1本ものの102件に絞る
そこから、商品名に長さが書いてあって1〜3mのものだけを残し、セット品と複数本入りは外した。
5個セットや10本まとめ買いを混ぜると、1本あたりの話とすり替わってしまうためである。
残ったのは102件だった。
102件の値段は、8.5倍ひらいていた
| 値段 | |
|---|---|
| いちばん安い | 460円 |
| 下から4分の1のところ | 820円 |
| 真ん中 | 1,180円 |
| 上から4分の1のところ | 1,721円 |
| いちばん高い | 3,899円 |
8.5倍である。
102件は全部、同じ「カテゴリ7」か「カテゴリ8」という数字を掲げている。
その差は、ケーブルの何の差なのか
売り場の言葉で分けて、それぞれの値段の真ん中を比べた。
| 商品名にあるもの | あり | なし |
|---|---|---|
| 国内メーカーの名前 | 55件・1,579円 | 47件・750円 |
| フラット・スリム | 54件・918円 | 48件・1,510円 |
| 「業務用」「施工」 | 27件・600円 | 75件・1,400円 |
| ツメ折れ防止 | 49件・1,028円 | 53件・1,280円 |
上に振れたのは、メーカー名だけだった
上に振れたのは、メーカー名だけだった。
エレコム、サンワサプライ、バッファローといった名前が商品名にある55件は、真ん中が1,579円。
名前が無い47件は750円で、2.1倍の差がつく。
残りの3つは、どれも逆に振れている。
「業務用」と書いてあるものはむしろ安く、真ん中が600円だった。
⚠️ これは「メーカー名の無いケーブルが劣る」という意味ではない。
売り場の値段が、ケーブルそのものの性能ではなく、名前で説明できてしまう、というだけである。
数字が大きいほうが、速いのか
「カテゴリ7」と「カテゴリ8」のケーブルが持ち出す売りは、シールド(電気的な雑音をさえぎる金属の覆い)である。
実際、102件のうち80件(78%)が、商品名か説明文でシールドに触れていた。
アースに触れた出品は、0件だった
ところが、そのシールドを働かせるのに要るアース(接地)に触れた出品は、0件だった。
102件でも0件、集めた232件すべてでも0件である。
| 説明文で触れていること | 102件のうち |
|---|---|
| シールド | 80件(78%) |
| 伝送帯域(MHz) | 86件(84%) |
| より線・単線 | 65件(64%) |
| 導体の太さ(AWG) | 58件(57%) |
| アース・接地 | 0件(0%) |
⚠️ アースに触れていないことが、その商品が悪いという意味ではない。
家庭のLANの差込口にはもともとアースを落とす仕組みが無く、書きようがないという面もある。
ここで言えるのは、「シールドが強い」という売り文句の効き目を、買う前に売り場で確かめる手がかりが無い、ということだけである。
回線の側の上限は、売り場に書いてある
いっぽう、回線の側の上限は売り場に書いてある。
エレコムのカテゴリー6A準拠ケーブルの商品ページには「高速光通信に最適な、10ギガビット・イーサネットの『10GBASE-T』に対応」とあり、ひとつ下のカテゴリー5E準拠には「100BASE-TX、1000BASE-Tなどの環境で安定したデータ転送が可能」とある。
1ギガの光回線ならカテゴリー5Eで、10ギガの光回線ならカテゴリー6Aで届く、という書き方である。
家庭向けの光回線で多いのは、1ギガか10ギガの契約である。
∴ 契約がそのどちらかなら、ケーブルにそれ以上の数字を選んでも、差が出る場所がない。
同じ形の話は、Wi-Fiルーターでも書いた → Wi-Fiルーターを買い替えても、iPhoneの速さは箱の数字の途中で頭打ちになる
同じ型番でも、店によって値段が違うのか
違う。
エレコムの LD-GFA/BM1(1m・カテゴリー6A・フラット)を、安い順に並べて引いた。
同じ型番の同じ1本が、こう並ぶ。
| 店 | 値段 |
|---|---|
| ソフマップ楽天市場店/ソフマップ デジタルコレクション/Joshin web | 800円(3店) |
| Rafinagift 楽天市場店 | 983円 |
| (54店のまん中) | 1,282円 |
| ショップハナテック | 1,950円 |
| PLUSYU楽天堂 | 3,872円 |
最安800円と最高3,872円で、4.84倍である(2026年10月13日23時台・54店の54件。安い順に引いて、商品名に型番 LD-GFA/BM1 がある1本ものだけを残した)。
ものは同じなので、この差はケーブルの差ではない。
∴ 「高いほうが良いものだろう」という決め方は、ここで崩れる。
同じことがHDMIケーブルでも起きている → HDMIケーブルは「8K」にすると画質が上がる? 売り場には「2.0」と「8K」を同じ名前に並べたケーブルがある
では、何を選べばいいのか
いま契約している回線の速さで決める。
1ギガならカテゴリー5E、10ギガならカテゴリー6A。契約がそのどちらかなら、それ以上の数字を選んでも差が出る場所がない。
そのうえで、メーカー名がはっきりしているものを選ぶ。
値段の差がメーカー名で説明できてしまう以上、名前のぶんを払うと割り切るのがいちばん分かりやすい。
10ギガの契約まで、これで届く|エレコム LD-GPA/BK3(3m)カテゴリー6A準拠で、商品ページに「10ギガビット・イーサネットの『10GBASE-T』に対応」「Cat6の2倍である500MHzまでの高周波帯域まで対応」とある。ツメ折れ防止プロテクターが付き、「1000回の屈曲検査に合格(エレコム社検証)」との記載もある。今回集めた102件の真ん中は1,180円だったので、それより安い。3m/カテゴリー6A¥565 ★4.25 (4件)ツメ折れ防止プロテクター付き/楽天ビック(ビックカメラ×楽天)楽天市場で価格を見る
Amazonでも同じ型番(LD-GPA/BK3)を扱っている売り場によって値段が変わる。上の楽天と見比べてから決めるとよい
机の裏や、ドアのすき間を通したいなら、薄いほうが要る。
ケーブルを替えても速くならないときは、何を見ればいいのか
ここから先は、ケーブルの話ではなくなる。
売り場のケーブルを上から下まで見ても直らない速さがある。
契約している回線そのものが、その速さで止まっている場合である。
- 契約が1ギガなのに、実際に出るのが100Mbps前後で止まっている。このとき、ケーブルを替えても、上限は契約の側にある
- 夜だけ遅い。昼は出るのに夜になると落ちるなら、混んでいる時間に当たっている。ケーブルは時間帯で変わらない
- 集合住宅で、建物の中の配線が電話線や共用の線を通っている。このときは、部屋までの区間の上限が先に来る
この3つは、どれもケーブルの外にある。
∴ ケーブルを替える前に、いま契約している回線の種類と、時間帯による差を先に見たほうがいい。
⚫ 回線そのものを替える話は、この記事では扱っていない。別に1本立てる予定である。
買わなくていい場合
いま使っているケーブルにカテゴリー5E以上と印字されていて、契約が1ギガの光回線なら、この記事の理由では買い替えなくてよい。
ケーブルの側はもう足りている。
速さが出ない理由がケーブル以外にあることも多い。
パソコンやルーターの差込口の側が1ギガに届いていない場合、ケーブルだけ替えても変わらない。
ケーブルは、差込口の両端が速くなって初めて効いてくる。
この記事で調べたこと
- 出品:2026年9月23日0時台から1時台に楽天市場で集めたもの。検索語は「LANケーブル CAT7」「LANケーブル カテゴリー7」「LANケーブル CAT8」の3つ、標準の並び順で各語3ページ(各30件)。重複を除いて232件
- 絞り方:そこから商品名に長さが書いてあって1〜3mのものを残し、セット品・複数本入りを外して102件。長さが商品名から読めなかった5件は数から外している
- 数え方:商品名と説明文の両方を読んでいる。全角と半角、タグで割れた文字をそろえてから探した。「0件」と書いた項目は、わざと見落としやすい形の例文を混ぜて、道具が拾えることを先に確かめてから数えている
- 同じ型番の値段:2026年10月13日23時台に取り直した。検索語は「LD-GFA/BM1」と「エレコム フラット LANケーブル CAT6A 1m ブルーメタリック」の2つ、安い順に各5ページ(各30件)。重複を除いた172件から、商品名に型番 LD-GFA/BM1 がある1本もの54件を残した(10m の LD-GFA/BM10・15m の LD-GFA/BM15 や、別型番の LD-GFAT/BM10 は外している)。🔴 公開時(2026年9月23日)は検索語1つ・1ページで4件しか見ておらず、開きを 2.4倍と小さく書いていた。同じ方法で今日 引くと1件しか返らない
- カテゴリーごとの対応:エレコムのカテゴリー6A準拠品・カテゴリー5E準拠品の商品ページの記載による
- ⚠️ 数えたのは出品の数であって、商品(型番)の数ではない。同じ商品を複数の店が売っていれば、その分だけ重複して数えている
- ⚠️ 検索の語に「CAT7」「CAT8」を使っているので、集まったのはその数字をうたう出品である。カテゴリー6A以下のケーブルは、この232件には入っていない
- ⚫ 検索されている数(月間の検索ボリューム)は、今回は測れていない。測る道具が使えない期間のため、未測定のまま書いている
本記事には広告(楽天市場およびAmazonのアフィリエイトリンクを含みます)。Amazonのアソシエイトとして、ガジェ得は適格販売により収入を得ています。売り場の件数は楽天市場の商品ページの記載から数えたもので、出品の数であり、商品(型番)の数ではありません。各ケーブルの対応速度・構造は各商品ページ・各メーカーの記載で、当サイトが測ったものではありません。実際に出る通信速度は、契約している回線・パソコンやルーターの差込口・混雑の状況などで変わります。価格・在庫・仕様は変わることがあります。

