脱衣所に置くヒーターを選ぶとき、たいていは「何畳まで暖まるか」を先に考える。
だが脱衣所には、先に見たほうがいい数字がもう1つある。
そこに、ほかに何を挿すか、である。
この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。紹介した商品の価格・レビューは2026年10月14日0時台の楽天市場のものです。売り場の件数は、ヒーターが2026年9月21日、ドライヤーが2026年9月7日に集めた出品で数えています。
先に答え
- 2畳の脱衣所なら、800Wで足りる。売り場が「脱衣所」と書いて売っているヒーター144件の中央値がちょうど800Wで、売り場自身がこの場所の標準にしている数字である
- ただし、ドライヤーと同時には挿せない。壁のコンセントは二口の合計で1,500Wまでで、800W+ドライヤーの中央値1,200W=2,000Wになる
- 同時に挿せるのは144件のうち8件(5.6%)だけ。その8件は200Wと300Wのもので、中央値の4分の1しかない
- ∴ 脱衣所では「何Wを買うか」より「いつ切るか」で決まる。入浴前に入れて、髪を乾かす前に消す
「脱衣所」と書いて売られているヒーターは、何Wなのか
楽天市場で「電気ストーブ」の1語で集めた600件のうち、1万円以下は415件だった。
そのうち商品名に「脱衣所」とあるのは157件である(2026年9月21日)。
消費電力は144件で読み取れた(13件は読み取れなかったので、下の表の母数から外している)。
| 消費電力 | 件数 |
|---|---|
| 300W | 5件 |
| 600W | 11件 |
| 800W | 57件 |
| 900W | 13件 |
| 1000W | 5件 |
| 1200W | 33件 |
5件以上あった帯だけを載せている(144件のうち124件。残る20件は1〜3件の帯に散らばっている)。
あとで出てくる200Wの帯は3件で、5件に届かないのでこの表には無い。
中央値は800W。いちばん多いのも800W(57件)である。
∴ 売り場は、脱衣所を「800Wで暖める場所」として売っている。
⚠️ これは「800Wなら2畳が何度になる」という話ではない。
売り場がこの場所に何Wを出しているかを数えただけである。部屋の断熱や換気で実際の暖まり方は変わる。
壁のコンセントは、二口の合計で1,500Wまで
ここからが、畳数の話では出てこないほうの制限である。
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE。製品事故を調べて注意喚起を出している国の機関)は、こう書いている。
「また、コンセントにも定格があります。一般住宅の壁に設置してあるコンセントは二口のものが一般的ですが、その場合、二口の合計で1500Wが接続可能な最大消費電力となっています。例えばコンセントの片方に1000W分の家電製品を接続した場合、もう片方には500Wまでしか接続できません。」
脱衣所は、この「二口」に、ヒーターとドライヤーを挿す場所である。
ドライヤーのほうは、1,200Wが標準
1万円以下のヘアドライヤー623件のうち、消費電力が読み取れた474件を見るとこうなる(2026年9月7日)。
| 読み取れた474件 | 値 |
|---|---|
| 中央値 | 1,200W |
| いちばん多い値 | 1,200W(277件) |
| 1,200W以上 | 393件 |
8割が1,200W以上である。ドライヤー側で小さいものを選ぶ、という逃げ道はあまり広くない。
足すと、こうなる
ドライヤーは1,200Wとして足している(上で出した中央値)。200Wは、今回のヒーターでいちばん小さい値である。
| ヒーター | 合計 | 1,500Wに |
|---|---|---|
| 200W | 1,400W | 収まる |
| 300W | 1,500W | ちょうど |
| 600W | 1,800W | 🔴 超える |
| 800W | 2,000W | 🔴 超える |
| 1200W | 2,400W | 🔴 超える |
144件のうち、1,500Wに収まるのは8件(5.6%)だけである。
内訳は200Wが3件、300Wが5件で、合わせて8件になる(200Wの帯は3件しかないので、上の表には出していない)。
そして200W・300Wは、脱衣所用として売られている中では下から2つの帯で、中央値800Wの4分の1しかない。
∴ 同時に使えるほうを選ぼうとすると、暖める力のほうを捨てることになる。
だから、順番に使う
同時に使えないのなら、同時に使わなければよい。
脱衣所でヒーターとドライヤーが要る時間は、もともとずれている。
- 入浴の前……服を脱ぐときが寒い。ここでヒーターが要る
- 入浴の後……髪を乾かす。ここでドライヤーが要る
入浴している間は、どちらも要らない。
∴ 入浴前に入れて、風呂から出たら切る。これで二口の合計は1,200Wに収まる。
この使い方だと、選ぶ基準も変わる。
- すぐ暖まること……入浴前の数分しか動かさないので、立ち上がりの速さがそのまま効く
- 手で切りやすいこと……「乾かす前に切る」を自分でやることになる
- 暖房の力を落とさなくていい……同時使用をあきらめたぶん、800Wのまま選べる
この使い方に合う1台
400Wと800Wを切り替えられるが、これは「同時に使うため」の切り替えではない。
400Wに落としても、1,200Wのドライヤーと足せば1,600Wで、まだ二口の上限を超える。
暖まったあとに弱めるための切り替えだと考えたほうがよい。
買わなくていい場合
いま脱衣所で使っているヒーターの消費電力が300W以下なら、ドライヤーと同時に挿しても二口の上限に収まる。
その場合、この記事の理由では買い替えなくてよい。
また、脱衣所のコンセントが二口ではなく、洗濯機で片方が埋まっているなら、足し算の相手が変わる。
そのときは、洗濯機の消費電力を先に見る。
畳数の表示そのものが売り場にほとんど無い、という話は → 電気ストーブは何畳まで暖められるのか? 1万円以下415件のうち畳数を書いたのは8件で、「足元」は252件だった
この記事で調べたこと
- ヒーターの出品:2026年9月21日11時台に楽天市場で集めたもの。検索語は「電気ストーブ」の1語(「W」「消費電力」「脱衣所」を入れると、それを書いている出品ばかりが集まってしまうため)、標準の並び順の上位600件。うち1万円以下が415件で、商品名に「脱衣所」とあるのが157件。消費電力は商品名と説明文の両方から読み、読み取れた144件だけを数えている
- ドライヤーの出品:2026年9月7日に楽天市場で集めたもの。検索語は「ドライヤー ヘアドライヤー」「ヘアドライヤー 速乾」「ヘアドライヤー」の3つで、布団乾燥機・ペット用・ハンドドライヤー・ホルダーなどを除いた623件。消費電力が読み取れたのは474件
- コンセントの上限:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全情報マガジン Vol.482(2025年8月12日号)。2026年9月22日に原文で確かめた。同じ記述はVol.446(2024年2月13日号)とVol.466(2024年12月10日号)にもある
- 読者の言葉:Yahoo!知恵袋の検索結果(2026年9月22日)
- ⚠️ 数えたのは出品の数であって、商品(型番)の数ではない。同じ商品を複数の店が売っていれば、その分だけ重複して数えている
- ⚠️ 消費電力を書いていない出品が電気を多く使う、という意味ではない。足し算ができないというだけである
本記事には広告(アフィリエイトリンクを含みます)。売り場の件数は楽天市場の商品ページの記載から数えたもので、出品の数であり、商品(型番)の数ではありません。消費電力は各商品ページ・各メーカーの記載で、当サイトが測ったものではありません。コンセントの定格は上記NITEの記載によります。実際に何度まで暖まるかは、部屋の広さ・断熱・換気の状態などで変わります。価格・在庫・仕様は変わることがあります。

