家を出てから、こたつを消したかどうか思い出せない。
ヒーターほどの火力ではないと分かっていても、帰るまで気になる。
コンセントとこたつの間に挟んで、スマホから電源を切れる器具がある。「スマートプラグ」と呼ばれる、手のひらに乗る大きさのものである。
では、こたつはそれに挿していいのか。ついでに電気ストーブやドライヤーも挿していいのか。
この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。売り場の件数は2026年10月20日1〜2時台の楽天市場のものです。
結論から書く。
- 挿していいかどうかは、その器具が受けられる上限で決まる。そして上限は機種によって違う
- メーカー自身の仕様で、TP-Link の Tapo P105 は1,000W、同じ Tapo の P110M と SwitchBot のプラグミニは1,500W。同じ「スマートプラグ」でも1.5倍の差がある
- こたつなら、1,000Wの機種でも足りる。上位300件の本体168件のうち消費電力が読めた113件は、最大600W・中央値500Wで、1,000Wを超えるものは0件だった
- 分かれるのは電気ストーブとドライヤーのほう。1,200W級があるので、1,000Wの機種では超える
- 🔴 売り場では上限が読めないことが多い。529件のうち上限が読めたのは102件(19.3%)で、そのうち60件は「W」ではなく「10A」「15A」という電流の数字だった
こたつは、何ワットなのか
先に、挿したい側の数字を出す。
楽天市場のAPIで「こたつ」の1語を引き、標準の並び順の上位300件を集めた。
こたつ布団・カバー・脚などを外して本体168件、そのうち消費電力が読めたのは113件である。
| こたつ本体113件の消費電力 | 件数 |
|---|---|
| 600W | 33 |
| 510W | 22 |
| 500W | 6 |
| 400W | 6 |
| 300W | 39 |
| 200W以下 | 7 |
| 中央値 | 500W |
| 1,000Wを超えるもの | 0 |
いちばん大きいもので600Wだった。
∴ こたつだけのために買うなら、上限1,000Wの機種で足りる。
⚠️ こちらは母集団が閉じていない。楽天の「こたつ」は総件数229,136件あり、集めたのは標準の並び順の上位300件である。
売れている出品に寄っているので、全体を代表しない。ふるさと納税の出品も混ざっている。
上限は、機種ごとにメーカーが決めている
次に、挿される側である。各社が自分のページに書いている数字を並べる。
| 機種 | メーカーが書いている上限 | 出どころ |
|---|---|---|
| SwitchBot プラグミニ | 定格電力 1500W/電流 15A(最大) | SwitchBot 製品ページ |
| TP-Link Tapo P105 | 最大負荷 1000W @100V~ 10A | TP-Link 製品ページ |
| TP-Link Tapo P110M | 最大負荷 1500W, 15A | TP-Link 製品ページ |
同じ会社の、同じ Tapo という名前の中でも、1,000Wと1,500Wに分かれている。
∴ 「スマートプラグだから1,500Wまで」とは言えない。名前ではなく、機種で決まっている。
⚫ TP-Link は Tapo P105 の上限に「General Use / Resistive Load」と添えている。電熱線で熱を出す機器(こたつやヒーター)を想定した数字という意味である。
⚫ SwitchBot は「家電の電流値が15Aを超えたと、プラグミニが過負荷保護機能を起動して、自動的に電源をオフにします」と書いている。
売り場で上限が読めるのは、529件のうち102件
ここからが、売り場を数えた話である。
楽天市場のAPIで「スマートプラグ」の1語を引いた。
1回では閉じなかったので、2026年10月19日に集めた526件と、10月20日に集めた485件を商品コードで重ね合わせて548件にした(楽天の総件数は552件)。
そこからそれ自体が別物と言えるもの19件を外して529件である。
外したのは、USB充電器・電源コード(部品)・植物育成ライトのACコード・工業用のゴムプラグやコネクタボディ・壁の埋込コンセント・ステンレスのブレスレット(商品名に「PLUG IN」が入る)などで、プラグそのものではない物である。
| 楽天の「スマートプラグ」529件 | 件数 |
|---|---|
| 上限(AかW)が読める | 102(19.3%) |
| うち 15A・1,500W | 27 |
| うち 10A・1,000〜1,100W | 40 |
| うち 10A・1,250W(125Vで計算した数字) | 13 |
| うち 16A | 21 |
| うち 14A | 1 |
| 上限が読めない | 427 |
「1,500Wまで使える」と読み取れるのは、529件のうち27件だけだった。
⚠️ 書いていないことは、上限が低いことを意味しない。
上限は本体の表示で決まるもので、商品ページに書くかどうかは店ごとの判断である。書いていない出品を悪く読む理由にはならない。
⚠️ 件数は出品の数で、同じ商品を複数の店が売る分も含む。
同じ説明文が、たくさんの店に出ている
ここは、率の読み方の注意である。
- 「接続デバイスの総電力が最大負荷電流(10A)を超えないようにしてください」…27店
- 「このスマートプラグは、最大16Aの電流をサポートしているため…」…16店
- 「このスマートプラグは最大で16Aの電流に対応していますが…」…4店
同じ文が並ぶのは、同じ製品を複数の店が売っているからである。
∴ 上の102件は「出品のうち何件が書いているか」であって、「製品のうち何割が書いているか」ではない。
「16A」は、壁のコンセントより大きい数字
21件に出てくる16Aは、日本の家庭の壁のコンセント(125V・15A)より大きい。
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE。製品事故を調べて注意喚起を出している国の機関)は、こう書いている。
「また、コンセントにも定格があります。一般住宅の壁に設置してあるコンセントは二口のものが一般的ですが、その場合、二口の合計で1500Wが接続可能な最大消費電力となっています。」
∴ プラグ側が16Aと書いてあっても、壁の側が先に15A(1,500W)で止まる。手前の数字が大きくても、使える量は増えない。
壁側の制限については脱衣所のヒーターとドライヤーを同時に挿せるかを数えた記事で、二口の合計まで追ってある。
🔴 「16Aと書いてある製品が違法」という話ではない。日本で売るための定格は本体の表示で決まるもので、ここで言えるのは説明文の数字を上限として当てにできないということである。
数字は「W」ではなく「A」で書かれている
上限が読めた102件を、書き方で分けるとこうなる。
- Aの数字だけ … 60件
- Wの数字だけ … 16件
- 両方 … 26件
いちばん多いのは、Wがどこにも無い書き方である。
「W」で探している人は、上限が書いてあるページでも見つけられない。
読み替えは、かけ算ひとつで済む。
挿したい家電のW ÷ 100 = 必要なA(日本の家庭用は100V)
600Wのこたつ → 6A / 1,200Wのドライヤー → 12A
∴ 10Aの機種に1,200Wのドライヤーは入らない。15Aの機種なら入る。
⚠️ AとWの両方を書いていて、数字が合わない出品が11件あった。
「最大電流10A」と書きながら「定格電力1,100W」としているもの、「最大12A」と書きながら「最大1,500W」としているものなどである。
こういうときは、メーカーの仕様ページの数字を使う。
だから、挿すものを先に決める
上限の話は、ここで実際の家電とつながる。
| 挿したいもの | だいたいのW | 10A(1,000W)の機種 | 15A(1,500W)の機種 |
|---|---|---|---|
| 電気毛布 | 55W前後 | 足りる | 足りる |
| こたつ | 80〜600W(中央値500W) | 足りる | 足りる |
| 電気ストーブ | 300〜1,200W | 機種で分かれる | 足りる |
| ドライヤー | 1,200W前後 | 超える | 足りる |
電気ストーブの1,200Wは珍しくない。脱衣所用として売られているヒーターでは、消費電力が読めた144件のうち1,200Wが33件あった。
売り場が広さでは売っていない機器であることは電気ストーブ1万円以下415件を数えた記事に、
ドライヤーと同時に挿せるかは脱衣所のヒーターの記事に書いた。
電気毛布の「55W」は最大時の値で、実際に使う量はもっと小さい(電気毛布の定格と運転時の差)。
🔴 エアコンは、この表に入れていない。
壁の専用コンセントから直接つなぐよう、メーカーが説明書で求めていることがあるためで、使わない家電のコンセントを抜く話を書いたときにも、日立が「延長コードは使用しないでください」と書いているのを見ている。
⚫ 売り場には「最大16Aなのでエアコンや冷蔵庫などの大型家電にも対応可能」と書いた出品が20店ある。これは器具の側が受けられる量の話で、エアコンの側が何を求めているかは、エアコンの説明書で決まる。
電気と電波、2つの決まりがある
この器具は、コンセントに挿して、電波を出す。∴ 2つの法律がかかる。
- 電気用品安全法(PSEマーク)…コンセントに挿す配線器具として
- 電波法(技適マーク)…Wi-FiやBluetoothを使う無線機器として
売り場の529件でPSEの字があるのは19件、電波法や技術基準適合証明に触れているのは4件(2店の同じ説明文)だった。
🔴 ここでも「0件」とは書かない。
10月19日に集めた526件では電波法に触れた出品は0件だったが、10月20日に集め直した485件には4件あった。
同じ検索でも、取れる出品が日によって違う。0件という数字は、売り場の性質ではなく集め方から出た数字だった。
🚫 書いていない出品にマークが無い、という意味でもない。PSEマークも技適マークも本体や画面に表示されるもので、商品ページに書く義務はない。
∴ 確かめたいなら、型式名をメーカーのページで見て、総務省の検索に入れる。この記事で挙げた2機種は、その手順で番号まで確かめてある。
選んだ1つ
値段は2026年11月2日0時台の楽天市場のものである。
⚫ 値段は2026年11月2日0時台のものである。この出品の値段は動く=2026年10月19日2時台は¥1,980、10月20日2時台は¥1,680、11月2日0時台はまた¥1,980だった(商品名に「最大3000円クーポン配布」とある)。買うときにその場の値段を見てほしい。
買わなくていい場合
- こたつを切るだけで、スマホから操作する必要がないなら。コンセントに挿すだけのタイマーで足りる(上限の見方は同じで、Aの数字を見る)
- 挿したいのがエアコンのように壁の専用コンセントから直接つなぐ機器なら。この器具では解けない
- Wi-Fiが届かない場所で使うなら。遠隔操作は家のWi-Fiを通る
この記事で調べたこと
- 数えた母集団:楽天市場API・検索語「スマートプラグ」1語・上限価格10万円・標準の並び順。2026年10月19日の526件と10月20日の485件を商品コードで重ね合わせて548件(楽天の総件数552件)。そこから別物19件を外して529件。生データは
09_データ/031_smartplug_raw.json・032_smartplug_raw_20261020.json、数え方は09_データ/count_032.pyに残してある - 中古・訳あり・箱ダメージの扱い:この529件(スマートプラグ)のほうは、中古・訳あり・アウトレット・展示品・再生品・箱不良・在庫処分を除かずに含めて数えている。商品名に状態の語があるのは20件(すべて「中古」。訳あり・展示品・再生品・箱不良・在庫処分は0件)で、この20件を外して数え直すと、母集団は509件、上限が読めたのは102件→101件(19.3%→19.8%)、電流の数字だけの出品は60件→59件、「1,500Wまで使える」と読み取れる出品は27件→26件になる。動くのは中古1件(Amazon純正の中古品・¥1,900・15A)だけで、16Aの21件・10Aの40件・125Vで計算した1,250Wの13件・PSEの19件・電波法の4件は1件も動かない。値段の開きも変わらない(1,500Wと読める出品の値段は、この母集団の中では2026年10月20日時点で¥1,290から¥14,220まで=11.0倍。含めても除いても同じ)。商品説明まで読むと状態の語が出る出品がほかに4件あるが、「状態 新品」「新品未使用」や英語の outlet(コンセントの意味)で中古の出品ではなく、どれも上限が読めなかった側なので、上の数字には入っていない。こたつの上位300件のほうは別の母集団で、本体168件のうち商品名にアウトレットの語があるのは1件、その1件は消費電力が読めた113件に入っていないため、113件・中央値500W・最大600W・1,000Wを超えるもの0件は、どれも変わらない(2026年10月31日に、公開時と同じ
09_データ/count_032.py・09_データ/count_032_kotatsu.pyの数え方で確認した)。🔴 商品名と商品説明の文字だけを見ており、商品ページの画像に書かれた状態の表示は読んでいない。 - こたつ:同じAPI・検索語「こたつ」1語・標準の並び順の上位300件(総件数229,136件)。布団・カバー・脚などを外した本体168件のうち、消費電力が読めた113件
- 上限の拾い方:拾った87件を1件ずつ目で読んでからルールを書いた。そこで、工業用の20A・30Aの部品が混ざること、
AがUSBの出力(3A・1.5A)にも出ること、125Vで計算した1,250Wが混ざることが分かった - 拾い落としの確認:上限が読めなかった側を全部開き、3件の取りこぼし(「出力:1500W」・「対応ヒーター使用器具:1500W以下」・「AC:100V 14A」)を見つけて拾い直した
- メーカーの仕様:SwitchBot プラグミニ/TP-Link Tapo P105/TP-Link Tapo P110M。いずれも2026年10月20日に原文で確かめた
- コンセントの上限:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全情報マガジン Vol.482(2025年8月12日号)
- 技適:総務省 電波利用ポータル「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」。2026年10月20日1時台に確かめた

