中古のスマホを買うとき、いちばん気になるのはバッテリーである。
本体の傷は写真で分かるが、電池がどれだけ減っているかは、外からは見えない。
「80%が目安」とはよく言われる。では、その80%はどこに書いてあるのか。
この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。売り場の件数は2026年10月19日2時台の楽天市場のものです。
結論から書く。
- 商品ページの「◯%」には3通りある。その1台を測った数字・店が全部の商品に付けている下限の約束・買うときに選ぶ幅で、意味が違う
- その1台の数字が書いてあったのは、本体401件のうち131件(33%)だった。下限の約束が69件、選ぶ幅が13件、何も書いていないものが188件
- 書かれている率は、値段の帯で変わる。1〜2万円は32件中2件、5万円超は227件中99件
- 書いていない店は、代わりに「ランク」を出している。ただしランクは外装の状態の話で、電池の話ではない
どこまでを数えたか
楽天市場のAPIで「中古スマホ」の1語を引き、標準の並び順の上位20ページ(各30件=600件)を集めた。
商品コードの重複を1件にまとめて518件(楽天の総件数は11,623件)。
そこからスマートフォンの本体だけを残して401件にした。
外したのは、タブレット等18件と、本体でないもの99件(キーボード・マウス・のぼり旗・携帯ゲーム機・モニターなど)である。
🔴 「タブレット」という語を含むだけでは外していない。
この売り場では店の名前が商品名の中に入る。「中古スマホとタブレット販売のイオシス」がそれで、語だけで外すと82件が一度に消えた。
同じ理由で「【ACアダプタ欠品】」「箱・ケーブル付き」も外していない。付属品の話であって、売っている物は本体だからである。
値段の帯で、書かれている率が違う
| 値段 | 本体(件) | その1台の数字がある | 率 |
|---|---|---|---|
| 1万円以下 | 13 | 1 | 8% |
| 1〜2万円 | 32 | 2 | 6% |
| 2〜3万円 | 53 | 16 | 30% |
| 3〜5万円 | 76 | 13 | 17% |
| 5万円超 | 227 | 99 | 44% |
| 合計 | 401 | 131 | 33% |
🔴 きれいに下がっているわけではない。3〜5万円の帯は17%で、2〜3万円の30%より低い。
∴ 「安いほど書かれていない」とは言えない。言えるのは、帯によって率がまるで違うということだけである。
自分が買おうとしている帯の率を見てから、商品ページを開いたほうがよい。
1〜2万円の帯なら、数字が書いてある出品は32件中2件しかない。5万円を超える帯なら44%ある。
⚠️ 母数(件)を必ず確認する。1万円以下は13件しかないので、1件が2件に変わるだけで8%が15%になる。この帯の率は、ほとんど当てにならない。
「◯%」には3通りある
同じ「80%」でも、書いてある意味が違う。
| 何の数字か | 件数 | 見分け方 |
|---|---|---|
| その1台を測った数字 | 131 | 出品ごとに値が違う(72〜100・中央は94) |
| 店が全部に付けている下限の約束 | 69 | 「◯%以上」の形。1台ごとの実測ではない |
| 買うときに選ぶ幅 | 13 | 「70%〜79%、80%〜89%…」と幅が並ぶ |
| 何も書いていない | 188 | — |
その1台を測った数字
いちばん強いのはこれである。IMEI(端末ごとの製造番号)と並べて書いている出品もある。
製造番号 352988110223526 iOSバージョン26.7 バッテリー最大容量86%
この131件は、最大容量が72%から100%まで散らばっていて、中央は94%だった。
内訳は70台が3件、80台が47件、90台が35件、最大容量100%が46件である。
店が全部に付けている下限の約束
同じ「80」でも、こちらは1台ごとの実測ではない。69件がこの形で、どれも「◯%以上」と書いてある。
電池性能iPhoneは80%以上を保証。Androidに関しては電池性能はわかりかねます。
バッテリー最大容量80%以上をお届けします。
これは「80%以上であること」の約束であって、「80%であること」ではない。
実際には95%かもしれないし、81%かもしれない。そして上の1つ目は、Androidには当てはまらないと自分で書いている。
⚠️ 同じ出品に「バッテリー90%以上の商品はコチラ」と並んでいることがある。これは別の出品への案内で、見ているその1台の数字ではない。
買うときに選ぶ幅
3つ目は、注文のときに選ぶものである。
バッテリー 70%〜79%、80%〜89%、90%〜100%
商品ページを開いた時点では、まだ決まっていない。選んだ幅で値段が変わる形になっている。
書いていない店には、書けない事情がある
書いていないことを、店の落ち度と読まないほうがよい。
「複数台をまとめて1つの出品にしている」と自分で書いている出品が、401件のうち70件あった。
複数台まとめて掲載しておりますので、IMEI指定の販売は致しかねます。ご了承くださいませ。
どの個体が届くかが決まっていないので、1台ごとの数字は原理的に書けない。
実際、この70件で1台の数字が書けているのは1件だけだった。
⚫ 「※記載されている製造番号は一例です」と書いている出品もある。番号が載っていても、その1台のものとは限らない。
ただし、それで全部は説明できない
複数台まとめを除いた1台ずつの331件でも、数字があるのは130件(39%)で、残りの201件は書いていない。
∴ 「まとめ売りだから書けない」は、理由の一部でしかない。
「ランク」は、電池の話ではない
数字を出さない店の多くは、代わりにランク(S・A・B・C など)を出している。本体401件のうち210件にランクの表記があった。
ただしランクが指しているのは外装である。
目立つキズ等、外装状態に経年劣化以外の症状がみられる商品となります。
電池のことは書かれていない。
実際、ランクの表記がある210件のうち、その1台の数字もあるのは54件(26%)で、ランクが無い191件のほう(77件・40%)が多かった。
∴ ランクと電池の数字は、別のものである。ランクが高いから電池が良い、とは読めない。
数字が書いてある出品どうしは、並べて選べる
同じ iPhone 11 Pro の64GB が、2つの店にこう出ていた(2026年10月19日2時台)。
| 店 | 値段 | 書いてある数字 | SIMの状態 |
|---|---|---|---|
| MoriMoriStore(リユース館) | 22,980円 | バッテリー最大限容量94% | SIMロックなし |
| エスディーパーク | 24,310円 | バッテリーパフォーマンス100% | SIMロックあり・解除不可 |
1,330円の差で、数字は6ポイント違う。
🔴 ただしSIMの状態が違うので、数字だけでは決まらない。ソフトバンク以外の回線で使うなら、下の1台は選べない。
言えるのは、数字が書いてある出品どうしなら、こうして並べられるということである。
書いていない出品は、この表に並べることすらできない。
買ったあとに効くこと
- 中古でも新品でも、充電の速さは本体だけでは決まらない。アダプタとケーブルのどちらが足を引っ張るかはスマホの充電が遅い話に書いた
- 通信の速さの上限は、持っている端末の側で決まる。古い機種を選ぶときはそちらも見る → Wi-Fiルーターを買い替えても、iPhoneの速さは箱の数字にならない
買う前に見る順番
1. 自分が買う値段の帯を決める。上の表で、その帯に数字が書いてある率を見る
2. 「◯%」を見つけたら、3通りのどれかを確かめる。出品ごとに値が違えばその1台の数字、どの出品も同じ数字なら店の約束、幅が並んでいれば選ぶもの
3. 数字が無ければ、ランクではなく「複数台まとめ」かどうかを見る。まとめなら、どの個体が来るかは決まっていない
4. 数字がある出品どうしを並べる。同じ機種なら、値段と数字は比例していない
選んだ2つ
その1台の数字が書いてある出品から、2つ挙げる。どちらも大手メーカー(Apple)の端末で、電波を出す機器なので、工事設計認証番号(技適)を型式から総務省の検索で確かめた。
価格は2026年10月19日3時台の楽天の商品ページで確かめた(公開の直前に取り直して、どちらも変わっていなかった)。
その1台の数字が書いてある例|SoftBank iPhone 11 Pro 64GB商品ページに「バッテリーパフォーマンス 100%」と書いてある出品。外装はBランクで、箱とケーブルが付く。🔴 SIMロックあり・解除不可なので、ソフトバンク以外の回線で使うつもりなら選べない。店の説明に「デモ機の仕様上、ネットワーク利用制限は△と表示されます」ともある。型式は商品ページに A2215 と書いてあり、総務省の検索で Apple Inc. の工事設計認証番号 003-190110(令和元年9月10日・(株)ディーエスピーリサーチ)を確かめた。バッテリーパフォーマンス 100%¥24,310レビューはまだ無い/エスディーパーク楽天市場で価格を見る
回線を選ばないほうなら|iPhone SE(第3世代)64GB SIMフリー商品ページに「バッテリー容量100%」「Apple純正品バッテリー」と書いてある出品。SIMフリーなので回線は選ばない。型式は商品ページに A2782 と書いてあり、総務省の検索で Apple Inc. の工事設計認証番号 003-210372(令和4年3月10日・(株)ディーエスピーリサーチ)を確かめた。バッテリー容量 100%¥33,100 ★4.74 (19件)SIMフリー/金太郎モバイル楽天市場で価格を見る
2つとも「数字が書いてあるから挙げた」のであって、電池の状態を比べて選んだのではない。
書いていない出品の電池が悪い、という意味でもない。
⚫ 結果として2枚とも、最大容量が100%と書いてある出品になった。これは「その数字のものを選べ」という意味ではない。
型式(A2215・A2782 のような英数字)まで商品ページに書いている出品が少なく、技適を番号まで確かめられるものがその中にしか無かったためである。
買わなくていい場合
- いま使っている端末が不便でないなら、買い替えなくてよい。この記事は「買うなら、どこを見るか」の話である
- 数字にこだわらないなら、まとめ売りの出品のほうが安いことが多い。どの個体が来るかは選べない、と分かったうえで選ぶなら、それも選び方である
- 手元に使っていない端末があるなら、先にそちらを手放す手もある。値段が年にどれだけ下がるかは引き出しのiPhoneの記事に書いた
この記事で調べたこと
- 楽天の出品:2026年10月19日2時台に楽天市場のAPIで集めた。検索語は「中古スマホ」の1語だけ(「バッテリー」を入れると、それを書いている出品ばかりが集まるため)、標準の並び順の上位20ページ(各30件=600件)。商品コードの重複を1件にまとめて518件(楽天の総件数は11,623件)。31店にまたがる
⚫ 標準の並び順なので、売れている出品に寄っている。11,623件の全体を代表するものではない
- 本体の決め方:401件。外したのはタブレット等18件と、本体でないもの99件。
🔴 語を含むだけでは外していない。この売り場は店の名前が商品名に入る(「中古スマホとタブレット販売のイオシス」)ので、「タブレット」で外すと82件が一度に消えた。∴ 店ごとの定型文(その店の半分以上の出品に出る語)を先に落としてから判定した
✅ 除いた99件は無作為に12件 開いて読んだ。取りこぼしが8件(alcatel PIXI4・vivo V27・UMIDIGI A9 Pro・Galaxy Z Fold4・au A5 5G OPG06 など)見つかったので、型番の形を足して拾い直した
⚫ 拾えないまま残っているもの=定型文を落とした結果 iPad の字が消えた出品が1件ある
- 「◯%」の数え方:213件に%の数字があり、その1台の数字131件・下限の約束69件・選ぶ幅13件に分けた。
🔴 分け方は言い回しで決めている=「◯%以上」は約束、「70%〜79%…」は幅、どの出品も同じ数字になる言い回し(「電池性能iPhoneは80%」が61件すべて80)は約束、それ以外をその1台の数字とした
🔴 はじめは152件と数えていた。①選ぶ幅13件 ②「◯%以上をお届けします」 ③「90%以上の商品はコチラ」(別の出品への案内)を、その1台の数字に混ぜていた。実物を開いて読んで気づいた
🔴 拾えないまま残っているもの=「88パーセント」のようなかな書きと、「電池性能:(改行)79%」のように改行をまたぐ書き方。この範囲は見えないままである
✅ 数えない側の確認=値引きの「◯%OFF」や「◯%正規品」のような、電池の状態ではない数字を数えていないことを、作り物の例文で確かめた
- 件数は出品の数で、商品(型番)の数ではない。同じ商品を複数の店が売っていれば重複して数えている
- 技適:総務省 電波利用ポータル「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で、型式から引いた
本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。売り場の件数は2026年10月19日2時台に楽天市場のAPI(検索語「中古スマホ」)で集めたものです。価格・レビューは商品ページの表示が変わることがあります。

